商品の説明
不戦の誓い「再び干戈を交えず」──日本と中国の比較文化を長年研究してきた著者が、2000年に及ぶ友好の歴史から、両国の現在と未来を読み解く。尖閣列島をめぐって日中関係が悪化した一方、アニメや映画・文化を通じた交流や、中国人旅行者の増加に見られるように、日本への関心・憧れは依然として強い。本書は、政治に左右されず民間交流によって両国の絆を深める知恵を与えてくれる。月刊誌『第三文明』の好評連載の単行本化。
【目次】
序章 日本と中国の共通点
第1章 日中関係の現在
日中首脳会談の重要性
「涓滴岩を穿つ」の譬えの如く
不戦の誓い「再び千戈を交えず」
「政冷経涼」の情勢下で
第2章 人的つながり──温故知新
中国の海洋進出と日本
未来志向の日中韓関係
国でなく人として交流を
落葉帰根から落地生根へ
第3章 日中友好に尽力した人びと
六八年「池田提言と私」
上海の内山書店
LT貿易と高碕達之助
岡崎嘉平太の「刎頸の交わり」
第4章 友情の歴史が未来につながる
朱鷺が結ぶ日中の友好
魯迅と「藤野先生」の師弟関係
西村真琴と魯迅の友情
孫文を支えた梅屋庄吉
親善の橋かけた棋聖・呉清源
友好の使者・高倉健
砂漠緑化に懸けた遠山正瑛
第5章 日中文化の絆
日中友好の先駆者・鄭成功の魂
文化使者としての隠元
赤穂浪士・武林唯七
楊貴妃伝説
文化交流の創始者・徐福
海の神様・媽祖
おわりに
[著者略歴]
こ・きんてい 1956年、中国福建省生まれ。甲南大学教授。中外新聞社(香港)記者。中国・厦門大学外文学院卒業。
神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。著書に『郁達夫研究』(東方書店)、『アクティブ中国』(共著、朝日出版社)など多数。