商品の説明
「天空」から見れば地球に国境線はない。「世界市民」もまた“心の国境線”を離れ、地球を“わが祖国”として発想し、行動する。その「世界市民」が二人、ここに出会った――。
池田名誉会長と“アメリカの良心”ノーマン・カズンズ氏の対談集『世界市民の対話-平和と人間と国連をめぐって』(毎日新聞社)の聖教文庫版。
本書は「人間が連帯する平和の橋」「国連-その改革強化への道」の2部からなる。
第1部は、「ヒロシマの世界化」「平和教育の眼目」「『希望』の哲学を語る」「首脳会談と民間外交」「コンピュータ社会と詩心」。
また第2部では、「『世界市民』意識の確立へ」「世界連邦へのアプローチ」「『部分』と『全体』の調和」「迫られる『国家観』の変革」「人類共同体に仕える競争」の構成となっている。
なお、本書の「まえがき」は、カズンズ氏が1990年11月、急逝される直前に送稿し、氏の遺言ともなった。
名誉会長も「あとがき」で、心からの哀悼の意を綴っている。「世界市民」の視座から語られた、平和への方途、人間の無限の可能性、そして国連強化への提言の数々が語られている。
【目次】
I 人間が連帯する平和の橋
○第一章 ヒロシマの世界化/初の出会いから/“被爆乙女”への思い/ヒロシマ・その運命的瞬間/人間の生きぬく意志と力/広島市長のメッセージ/未来に生きる青年たち/民衆の絶えざる応戦
○第二章 平和教育の眼目/教育の基本に平和学を/「世界市民」意識の育成/人間の尊厳を重視/「差異」を超える思考法/際限ない人間の可能性/分断から調和の時代へ
○第三章 「希望」の哲学を語る/「楽観主義」と「悲観主義」/本質的に悲劇の時代/人間の内面に豊かな水脈/“宇宙空間から地球を眺める”/決定論でなく可能性の追求を
○第四章 首脳会談と民間外交/「人類」という発想に立ち/「国家の顔」から「人間の顔」へ/比重高まる民間外交/対話がもたらす信頼関係/民間の英知の創造的反映
○第五章 コンピューター社会と詩心/「目に見えないもの」の尊さ/深層心理と仏法の知見/言論の蘇生、感性の重視/情報化社会に対応するには/質的差異への視点/技師と詩人の協力
II 国連-その改革強化への道
○第一章 「世界市民」意識の確立へ/相互理解による安全保障へと転換/「不戦」倫理の確立/国家主権の絶対性に制限を/「希望の議会」「人類の議会」への道/警察力をいかにそなえるか
○第二章 世界連邦へのアプローチ/時代の潮流は平和共存に/核エネルギー管理の構想/考えられる三つの形態/バランスとれた統合体を実現
○第三章 「部分」と「全体」の調和/超克すべき「国家悪」/第三世界諸国の発展と安定化/「多国間援助」の進展に向けて/地域差とりいれた「二元的連邦制」/世界観の変革を粘り強く
○第四章 迫られる「国家観」の変革/国際政治の現場に立って/「閉ざされた意識」を脱却/「国際法」から「世界法」へ/正義と公正さの世界
○第五章 人類共同体に仕える競争/「平和憲法」の意義/世界世論という勢力の台頭/「第三世代」の人権思想/「絶対主権」を超える構想/結語に代えて