商品の説明
米国務長官時代、その卓越した外交手腕から「外交の魔術師」と呼ばれたキッシンジャー氏。米中関係の劇的な改善、米ソのデタント(緊張緩和)、ベトナム戦争の和平協定調印など、その業績は枚挙にいとまがない。
そのキッシンジャー博士と、池田名誉会長が、「平和」と「人生」と「哲学」をテーマに編んだ対談集のワイド文庫化。
語らいでは、キッシンジャー氏の外交の名場面を通して、氏の外交を支えた「哲学」「人物観」がつづられている。名誉会長は、“真の政治家には哲学が不可欠”との信念を通し、氏の外交哲学への共感を語り、仏法に根ざした「平和哲学」を語っている。それは、徹して民衆の側に立つ「政治哲学」でもある。政治論の枠を超え、人生万般に通ずる教訓がちりばめられた対談である。
【目次】
まえがき
H・A・キッシンジャー
池田大作
序章
七年前の会談から/米ソ首脳会談の重要性/ゴルバチョフ書記長の印象/米中・中ソ関係の今後はどうなるか/中東和平に見通しはあるか/政治家に望むこと/核エネルギーの管理について
第一章 人生の道
青年に贈る言葉/青年とビジョン/人生に必要な徳目/高等教育のあり方/学問に取り組む姿勢/麻薬と自殺/婦人の役割/東洋的なものへの関心/印象に残った風景、好きな都市/絵画への関心/人物評価の基準について/心に残る人物/フランスの象徴的人物ド・ゴール/サダトにみる指導者の条件/わがモットー/フランス革命とゲーテ/サッカーのおもしろさ/バイタリティーの源泉/人間であることの最大要件/二十一世紀のイメージ/死をどう考えるか/老後の生きがい/人生の年輪
第二章 平和の橋
SDIの危険性について/核時代と政治指導者/まず発想の転換が必要/朝鮮半島の安定と平和/平和教育について/アショーカ王、カニシカ王の治政/太平洋の時代、文明/世評について/対話がもたらすもの/「軍事力なき政治力」/資本主義・社会主義と今後/多すぎる情報のなかで/いわゆる“メディアの権力”について
第三章 哲学と世界
愛好する作家と作品/信仰に到達したスピノザ/宗教復権の可能性について/「近代化」に含まれる問題/ドストエフスキーの宿題/全体主義と人間/アンドレ・マルロー氏の思い出/アメリカ 壮大な“実験国家”/人間の本性について/“国境なきオアシスとしての地球”/民衆のパワーと市民運動/世界史を学ぶ意味/「世界共同体」への可能性/カントの平和論
注解