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ロシアを代表する作家と、桂冠詩人である著者が、ヒューマニズムを根本に「人間勝利の朝」を目指し語り合った魂の対話、友情のメッセージ。「文学」と「人間」と「哲学」と。その大いなる共鳴の語らい――。
池田名誉会長と、世界的に著名な作家・アイトマートフ氏の対談集『大いなる魂の詩』(読売新聞社刊)の聖教文庫版。
1991年8月のソ連(当時)でのクーデターの意味、ペレストロイカ、文学論、青年論などを話題に、縦横の語らいを広げた上巻に続く下巻には、第5章・第6章を収録。
第5章「作品をめぐって」では、数々の文豪を生み出してきたロシア文学の伝統とその特徴、また「悲劇」や「民話」がもつ意義、アイトマートフ氏の作品に見る民衆像や、そこに色濃く流れる「母性」のイメージ、子供たちへのまなざしなどをめぐる語らいのほか、両者の往復書簡も合わせて収める。
第6章「内面へのはるかな旅」では、ドストエフスキーの宗教観、ニヒリズムや生命感覚の麻痺が覆う現代世界での、宗教の復権の可能性、環境破壊と仏法の「依正不二(えしょうふに)」の哲理、「九識論(くしきろん)」と深層心理学、壮大な生命のドラマとしての「法華経」などをテーマに語り合う。
【目次】
第五章 作品をめぐって ロシア文学の伝統と特徴 宗教における「不変」と「可変」 民話のもつ意義と普遍性 「悲劇的なるもの」の恵み リーダーへの戒め 往復書簡 親愛なる友、池田先生 往復書簡 敬愛する友、アイトマートフ大兄 非暴力に関する私の一考察 池田大作 忘れられた「死」 運命をめぐる、自覚と自省の力 作品に見る民衆像 母性へのイメージ 子どもたちへのまなざし
第六章 内面へのはるかな旅 ドストエフスキーの宗教観 「内なる神」の意味するもの ニヒリズムと宗教の復権 「人間疎外」をもたらす要因 言葉の「明示性」と「含意性」 環境破壊と依正不二の哲理 九識論と深層心理学 生命のドラマ・法華経 「第二の枢軸時代」の要件 ゴルバチョフに語られた寓話…チンギス・アイトマートフ 時代の終わりと始まり-あとがきに代えて…池田大作