法華衆の芸術
1,870円
メトロポリタンの燕子花 ―プロローグ
第1章 「琳派」という系譜――私たちが思う「和風」の誕生
ふたつの屏風/尾形家と宮中ファッション/放蕩息子の改心
江戸前期のアイノカタチ/クリエイターの〝理想の家〟/
設計変更された新町屋敷/〝発見〟される美/MUJIのルーツ
メメント・モリ/アップデートされる光悦
第2章 茶の湯の成立――室町時代のゴージャス
「チャ」系と「テ」系/将軍家の喫茶/喜びて茶を啜る
和漢の境をまぎらかす/自己を統御する力/茶の湯とミサ
利休の師/「名物」の旧蔵者と時価/「本能寺の変」で消えた名物
第3章 利休と法華―茶の湯と法華の意外なつながり
黄金の茶室/本能寺の円乗坊宗円/受取人の秘密/泥に咲く蓮華
信長の宿所/千家再興/京都十六本山会合/禁中のパティシエ
第4章 桃山文化の原動力――なぜ動乱の世に美が開花したか
ラングドン教授の指摘/インド・メダイヨン/モノクロームの本尊
錚々たる豪華キャスト/紛争を転換する/娑婆即寂光
「題目の巷となれり」/発端となった法論/非暴力という選択
「中庸」という着地点/「宗教的なもの」への飛翔
第5章 光悦の実像をさがして――時代を動かしたプロデューサー
信長に直訴した女/法華町衆の倫理観/〝ママの遺伝子〟を運ぶ
日蓮が重視した「人格の錬磨」/「目利き」の眼光/通説を遠ざける
サロン文化と法華/『鹿苑日録』の光悦/鷹峯を巡る謎
本阿弥家と徳川家/禁中並公家諸法度/宮廷文化の揺籃
第6章 タゴールが見た「蓮」――インド・ルネサンスと日本
法華経を詠んだ歌/能に見る法華思想/光悦と日蓮遺文
再発見〟された光悦/ベンガル・ルネサンス/「Life of my life,」
岡倉天心との接点/釈尊の思想とタゴール
第7章 目覚めた人――思慮ある人は、奮い立ち、努めはげめ
地下水脈の源流/中道主義/「一本の矢」/暴虐のアショーカ
ガンディーと法華経/国章と国旗に刻まれたもの/われわれの未来の秘密
第8章 敦煌莫高窟――アジアの記憶の古層をたどって
法華経の成立/シルクロードの深夜特急/一九世紀最後の年
記憶の古層/仏教東漸/武寧王の子孫/感染症と大仏
第9章 道成寺伝説――最古のエンターテインメント
日出処の天子/西の敦煌と東の法隆寺/細部を磨いて加工する
ストーカー殺人事件/女性の希望となった経典
ユーラシアに刻まれた意匠
第10章 「風神雷神図」異聞――屏風絵のなかに隠されたもの
謎多き絵師/尾形光琳の秘めごと/莫高窟壁画との類似性
史上最大のスペクタクル/阿仏房さながら宝塔/ダビデの曾祖母
三草二木の譬え/宗達へのオマージュ/二仏並座の儀式
第11章 北斎「Big Wave」―― 一瞬のなかにひろがる永遠
一刹那の変化相/不死の門は開かれた
「瞬間」と「永遠」/変化し続けた人
第12章 ガジェットの仏陀――受け継がれる〝法華芸術〟
一夜の宗教劇/洗面器の宇宙/「三つのコンセプト」/究極の実在
億劫の辛労を尽くす/太陽と蓮華/ART in You
「不確実性」の創造力
千年紀への曙光―エピローグ
あとがき
1,870円